川崎市は8月23日、「等々力緑地再編整備実施計画改定骨子」を策定した。多摩川へ往来できる多摩沿線道路に架かる陸橋の整備や、公文書館などが建つ土地の公園利用の検討などが盛り込まれた。10年前に策定された既存の計画を、社会状況の変化を踏まえたものに改定するため、方向性を示した形だ。
改定骨子の全容は、今年5月に案として公表された。市民から意見公募を行った結果、大幅な変更なく今回策定となった。骨子では、等々力陸上競技場を球技専用スタジアムとし、陸上競技は改修した補助競技場で行うことが示された。また、多摩川へ往来できる歩行者動線を確保するため、多摩沿線道路に架かる陸橋を2カ所で整備する予定(下水処理施設上部区域と中央新幹線非常口上部区域)。公文書館や会館とどろきが建つ公用地も、魅力的な正面広場として一体的に活用するため公園区域への追加を検討するという。立地については、既存施設の場所についてほとんどが「現位置を基本」としたが、とどろきアリーナや市民ミュージアムについては「未定」とした。また、新たに導入を検討している施設として、芝生広場やプール、スケートボード練習場、ドッグラン、バスケットゴールなどとしている。
市は今後、この改定骨子の考え方をもとに、事業費を算出し、手法や整備スケジュールも含めて検討。既存計画の改定案として今年11月に公表する予定。市民意見の公募を行い、来年2月には計画改定となる。
市担当者によると、既存計画の改定を行うために前段階として骨子を策定するのは稀だという。「10年前と計画が大幅に変更されるため、丁寧に進めた形。11月にはもっと具体的な話ができる予定」と話した。
2011年に策定された同計画は、陸上競技場メインスタンドの改築や正面広場の再整備、等々力球場の改築などが盛り込まれていた。概ね10年かけて再編整備を進める予定だったが、都市公園法の改正や社会環境や市民ニーズの変化、2年前の浸水被害など自然災害への対策強化を踏まえて、既存計画の改定が求められていた。
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