休館中の川崎市市民ミュージアムをめぐり市は、「新たな博物館、美術館に関する基本的な考え方」を策定し、先月18日の市議会文教委員会で示した。移転後は、被災の事実を後世に継承していくとともに、市全体の歴史や文化、美術を網羅する拠点となることを目指す。
令和元年東日本台風で被災し、移転再建が決まっている同館。外部有識者らで成る「市民ミュージアムあり方検討部会」から今年7月に提出された答申を踏まえて策定された。
博物館としては、展示を通して同館の被災の事実や収蔵品の修復で得た知見を次世代へ継承する。また、市の歴史や成り立ち、歩みを総合的に伝え継ぐ。美術館としては、市全域の文化や美術を幅広く紹介し、芸術活動の拠点として学習や創作活動の機会を提供。教育機関や団体、その他の文化施設との連携も進めていく。
市全域を網羅する施設としての役割を重視したもの。日本民家園や東海道かわさき宿交流館など市内のその他施設では紹介できる歴史が限定的で、美術の分野においても特定の個人の功績を紹介する施設しか存在しないためとする。
別施設でも「連携」
移転再建にあたっては被災のリスクが少ない場所を前提に、博物館と美術館が一体となった施設整備を目指す。一方で、土地面積や財政状況などによっては、博物館と美術館が別の場所になることもあるという。担当者は「仮に分かれても、活発に連携していく」とする。
市は「考え方」に基づき、来年度中に博物館と美術館それぞれの事業展開を示す「基本構想」を策定する予定。その後は移転地を踏まえ、「基本計画」も策定する。
移転再建地の決定後は、施設整備費用の低減やサービス向上を図り、民間活用の検討も進めるという。
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