全日本卓球選手権大会バンビの部への出場を前に、2011年6月17日号で紹介した新井さんは当時7歳。タウンニュースの取材を受けたことを今でも鮮明に覚えているという。「(卓球指導者として活躍する)父に連れられてテレビに出たことはあったけど、自分のことを聞いてもらえる取材を受けたのは人生で初めてだったから」。祖父や祖母、学校の先生からも褒められてうれしかったと懐かしむ。
18歳になった今は湘南工科大学付属高校の卓球部に所属。昨年、高校最後の夏のインターハイは体調を崩して2回戦で敗れた。秋には国体の少年女子の部の県代表に選ばれたが、コロナの影響で関東予選が中止に。本大会も開かれなかった。「小さいころから憧れていた神奈川代表としての国体出場。ここで夏に負けた分を取り戻そうと思っていたから悔しかった」と話す。
今年は1月24日から東京体育館で開催される全日本卓球選手権大会に出場する。昨年10月に行われた県予選ではブロック戦で負けたが、敗者復活戦で勝ち上がり、残り1つの出場枠をつかみ取った。これで同選手権へは10年前に本紙で紹介して以降、連続出場。おととしまではジュニアの部だったが、一般の部には昨年に続き2度目となる。「東京五輪も行われた大きな会場でレベルの高い選手が集まる大会。コンディションを整え、しっかり自分の力を発揮したい」と意気込む。春には高校を卒業するが、スポーツ推薦で大学へ進学し、卓球を続けていくことも決めている。
今では珍しい、ペンを持つようにラケットのグリップを握るペンホルダー。「大好きだった親戚のお兄ちゃんがやっていて、カッコよくてまねした」と笑う。ラバーは表ソフトと粒高を使い、ラケットを反転させて球筋が読めない独自の戦型。少数派だが 周りとは違うことをプレーに生かし、新しい発想を取り入れるのが自分のスタイル。全国で戦う中、このスタイルでも勝てることを多くの人に見せることが目標だ。
週1回は、両親が丸子通で営む卓球スタジオで教え、地元の子どもたちと一緒に汗を流す。「3歳で始めて、ずっと楽しいと思って続けてきた。卓球って、こんなにおもしろいんだよって伝えていきたい」。きつい練習をやりきった後や、新しい技を思いついたとき、笑顔になれる瞬間が訪れる。「子どもたちと一緒に夢を追いかけられる卓球選手になりたい」。かつて本紙に語ったことを実践している。
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