市政報告vol.85 「緊急事態に関する国会審議を求める意見書」を国に提出。緊急時における憲法のあり方含め議論を! 川崎市議会議員 末永 直
「緊急事態に関する国会審議を求める意見書」を3月18日、川崎市議会本会議にて賛成多数により可決。橋本勝議長名で国に意見書を提出しました。多くの市民の方より要望がありました。
意見書の主な内容は次のとおりです。
「国におかれては、緊急事態に対応できる国づくりに向け、緊急時における憲法のあり方や、関連法規の見直しによる平時から緊急時のルールの切替え等について、国会における建設的かつ広範な議論を行うとともに、広く国民的な議論を喚起する取組を進めるよう強く要望する」
1、大規模災害時の対応課題
首都直下地震や南海トラフ地震は今後30年以内に70%の確率で起こると言われています。阪神・淡路大震災や東日本大震災で法律上の様々な問題や限界が表面化したと言われています。大地震の際の課題の中でも、とりわけ燃料の確保や発生したガレキの迅速な撤去が重要です。東日本大震災の際は「買占め禁止」「物価統制」「金銭債務の支払延期」等の緊急措置をとることができず、灯油・ガソリン等の買い占めも問題となったと聞きます。
また、救命活動や緊急道路の敷設等のための瓦礫や倒壊家屋等の撤去作業に支障が生じたとのことです。加えて災害対策法上は可能である原発被災地への燃料等の輸送に対して、輸送関係業者への従事命令を発令することもできなかったと聞きます。
これらが憲法の「財産権」等「私権」を制限する可能性があったため難しかったとも言われており、憲法のあり方も見直す必要があります。
2、新型コロナ等感染症対策の課題
これまで本市内のコロナ陽性者は約19万人。349人の方が亡くなりました。(6月5日現在)甚大な被害をもたらしましたが、法律の不備等により、定められた医薬品や医療機器の緊急生産、供給の措置を命令できなかったこと、医療従事者へは「お願い」しかできず強制力に欠け、指揮系統も未整備といった課題が残りました。緊急事態宣言下での臨時病院の開設は可能ですが、医療法や建築基準法、消防法等の規制が多く、迅速な対応もできませんでした。
本市では令和元年東日本台風による甚大な被害の記憶もまだまだ拭い去れません。ロシアによるウクライナ侵略同様、周辺諸国が攻めてこない保証はありません。スイッチをオンとオフで切り替えるように、法制上も「平時」から「緊急時」の態勢に切り替えられる必要があります。権力の濫用を防ぐしくみづくり、緊急時の措置を法律に定め、かつ「違憲の疑い」なく行えるようにすべきです。
国会での自由闊達な議論が進むことを求めます。
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4月19日
4月12日