2019年の台風で内水氾濫に起因した山王排水樋管(上丸子山王町)で6月17日、川崎市は特殊マンホールを使った夜間訓練を実施した。近隣住民へ排水ポンプ設置作業などを公開。台風シーズンを前に、災害への危機対応力を高めていく方針だ。
台風の影響で多摩川の水位が上昇、河川の逆流防止のため排水樋管ゲートを閉め、排水ポンプを使うことを想定した訓練。市上下水道局の職員33人が参加し、排水ポンプの設置や横断管から多摩川へつなげるホースの取り付け作業を行った。
5月に排水ポンプ投入用マンホールを整備し、これまで2時間近くかかっていた排水作業開始までの時間を1時間弱に短縮。4カ所に設置したポンプは毎分30トン排水する能力(25mプールの水量で15分程度)があり、台風などによる浸水被害を最小限に食い止めたい考えだ。
「19年台風と同等なら防げる」
中部下水道事務所の藤井則明所長は「2019年の台風と同程度の状況であれば、上丸子山王町周辺地区では床上浸水は防ぐことができると考えている」と強調。山王排水樋管に整備された同マンホールは宮内、諏訪、二子、宇奈根の全排水樋管にも7月末までに設置される予定という。
山王排水樋管排水ポンプ車班の前西拓弥班長は「このマンホールで初の訓練だったが思った以上に速い対応ができた。地域住民のみなさんに安心してもらえるよう訓練を重ねていきたい」と力を込めた。
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