中原消防団中原分団(西村和也分団長)は6月26日、防火水槽を活用した初めての放水訓練を、西明寺(小杉御殿町)近くの道路予定地で実施した。
この防火水槽は、戦時中の1943年に民家の火災対策として地元住民により地下に設置された貯水槽。今回団員らは、約40立方メートルの容量いっぱいに溜められた水を可搬ポンプで給水、水圧を調整しながら放水を行った。一連の作業を確認した西村分団長は「ここに防火水槽があることを知らない団員もいた。把握した上で、万一に備えた訓練ができた意義は大きい」と話した。
訓練を見守った小杉御殿町1丁目町内会の岩井秀雄会長(87)は、「小学生の頃、B29の編隊が焼夷弾を落とし、この一帯の住宅が燃えた。その時に防火水槽が作られたことを覚えている。時代を経て活用する動きは良いこと」と目を細めた。
区内に88カ所
中原消防署によると、区内では88基の防火水槽が登録されているという。最も古くは1942年に住吉神社境内に設置され、最近では一昨年に井田病院の敷地内に備えられたという。同署の担当者は「通常の消火活動では消火栓から水を確保するが、震災で水道管が破裂したり断水した場合に活用することを想定している」としている。
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