市政報告vol.32 対話支援機器「コミューン」の市内施設導入で難聴者支援を 川崎市議会議員 末永 直
末永「末永です。お元気ですか?」。区民「ハァッ?聞こえにくくてね、すみませんね」。地域を歩き、ご高齢の方と接していると、たまにある。それゆえ対策を打てないかと問題意識をもっていた。かかる中、対話支援機器comuoon(コミューン)の存在を知った。加齢による難聴者は音が聴こえないのではなく「音がこもって聴こえることで言葉として認識できない」ケースが大半。音を大きくしても聴こえは変わらない。コミューンは雑音などをきれいに取り除くことによって聴きやすいクリアな音へと変換する機器だ。300グラムと持ち歩きしやすい。厚生労働省や福岡市をはじめ全国の多くの自治体で導入されている。
大変興味深い。なぜか。これまで障害者の方々に対し、補助金を出すから自力で機器を購入してがんばれ、といった障害者の自助努力に任せる在り方が主流だった。しかし、今は障害者差別解消法ができ、国の行政機関や地方公共団体等は、障害者に対し合理的配慮を行わなければならない法的義務が課せられた。障害者に対して健常者からのアプローチで支援できるのがコミューンだ。認知症にも有効だ。
どうにかして区役所や聾学校、病院等、川崎市に導入できないか。必ずや難聴者・高齢者の方々との会話における窓口業務で役立つはず。そう思い、去る平成29年12月15日、議会で質問した。
「(コミューンは)高く評価されている。ケアマネージャーなどが在籍する在宅介護事業所との連携により、話し手側が聴こえやすい環境を創り出す実証実験が進められている。効果的な活用方法の発信につなげてまいりたい」と経済労働局長は答弁した。
次いで、実証実験を行っていた高津区長からは「有効な機器」と。中原区長からは「『聴こえ』を改善する効果はみられた」との評価を戴いた。なお、「窓口環境の整備」や「音の反響」「個人情報への配慮」等は課題として認識された。聾学校への導入について教育次長からは「検討する」との答弁を得た。病院局長からは「現場の声を聴きながら有効性等を検証し、判断したい」とのこと。とりわけ市長からは「導入に向けてより良い製品となるよう支援する」と極めて前向きな答弁を得ることができた。
予算議会が2月13日から3月16日にかけ開かれている。税金が市民区民の為に有効に使われるよう、しっかりと臨んで参る所存だ。
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4月19日
4月12日