市政報告vol.40 「要綱」改正し、時代に合った平和推進事業補助金の交付を 川崎市議会議員 末永 直
●拉致集会にて
拉致被害者の横田めぐみさんの母・横田早紀江さんや菅義偉拉致問題担当大臣が登壇した「拉致被害者家族を支援するかわさき市民のつどい」が10月8日、川崎市平和館で開催され、私も出席した。横田さんの「平和な国民の生活がむしり取られている」との言葉が心に残る。拉致問題は平和を損なう人権侵害問題だ。
●事業に補助金
さて、私は9月21日の決算審査特別委員会、文教分科会で川崎市平和館の平和推進事業補助金の使途について質問した。本補助金は「核兵器廃絶、軍縮等を求める平和推進事業に係る補助要綱」(以下、要綱)に基づき、核兵器廃絶と軍縮ならびに非核三原則の完全実施を求める市民による自主的な事業であること及び、市民の公益を目的とする平和推進事業であり、市長が補助することを適当と認めたものに対して交付される。事業費に応じて1万円から5万円の補助金が支給。平成29年度は16補助金交付団体。合計54万円。前年前々年もほぼ同一の団体で、「要綱」どおり核廃絶、軍縮等に限定された平和活動のみに補助金が交付済だ。
●「要領」には人権・環境も
これを否定するつもりはない。だが、平和活動を核廃絶や軍縮のみに限定してよいのか。「川崎市平和館平和推進補助事業募集要領(以下、要領)」なる公文書を知った。平和館長は「【1】『要領』は『核兵器廃絶、軍縮、武力紛争、人権、環境、飢餓・貧困等に関する平和推進に寄与する事業であること』を対象事業の要件としており、【2】要領上は、核兵器廃絶、軍縮に係る取組に限定するものではなく、人権、環境、貧困等に係る取組も、その対象としている」と答弁。しかし、人権環境等の事業はゼロ。「要綱と要領」で、文言上のズレがあることが問題だ。
●時代に合う「要綱」に
拉致問題は極めて重大な人権侵害問題であり、また、平和に貢献する自衛隊の国際平和維持活動等も含まれてよいはず。そこで、私は、市民に広く平和について啓発するうえで、時代にマッチングする「要綱」改正や本補助金の支給対象を拡大することへの見解を質問した。平和館長は「今後、補助事業の趣旨などをよりわかりやすく市民に伝えるため、広報のあり方などについて検討を行い、これまで以上に市民の自主的な平和活動を支援できるよう、補助要綱の改正を含め取組を進めてまいりたい」と答弁した。「取組を進める」との答弁は意義深い。加えて私は、会計の透明性ならびに政治的中立性を担保し、偏りなく、広く平和推進にむけた市民の取組を支援するよう要望した。
今一度、横田早紀江さんの冒頭の言葉を刻みつつ平和について共に考える秋にしたいものである。
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4月19日
4月12日