神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
中原区版 公開:2019年3月1日 エリアトップへ

「健康寿命」解析へ前進 市と慶大 1,000人基礎調査完了

社会

公開:2019年3月1日

  • X
  • LINE
  • hatena
新井氏(左)らに健康相談をする参加者=先月
新井氏(左)らに健康相談をする参加者=先月

 健康寿命の延伸や高齢者の生活の質向上を目指し、慶応義塾大学と川崎市が2年前から行っている「高齢者コホート学術研究」。85歳から89歳までの健康な市民を対象に、千人以上の協力で基礎調査がこのほど完了した。今後、数年にわたる追跡調査で「健康長寿の秘訣」の解明を試みる。

 この調査は、慶大殿町キャンパス(川崎区)を含む市臨海部を拠点とした研究開発の一つ。同大が20年以上取り組んできた百寿者研究の成果を踏まえ、市内の高齢者の暮らし方や健康に関する研究を進めている。

 基礎調査は2017年3月に開始。介護の必要がない市内の高齢者約1万人に依頼状を送り、そのうち1028人が協力した。生活習慣や地域参加に関するアンケート調査に加え、市立病院を会場とした健康調査を38回に分けて実施。身体計測や心電図、運動機能、骨密度検査など多岐にわたる情報を収集した。

 基礎調査完了の報告として同大は先月20日、高津市民館でシンポジウムを開催。「4人に3人は骨粗しょう症あり」「半数の人が町内会・自治会活動に参加」「『新聞・本を毎日読む』という人が約9割」など、初期段階の速報値が公表された。会場には調査協力者ら約250人が出席。参加した中原区苅宿在住の上野二郎さん(88)は「健康寿命は大事だなと感じる。調査結果を研究に生かしてもらえたら」と期待を寄せた。

 今後は半年ごとの聞き取り調査に加え、医療保険等の社会保障データを用いた詳細な追跡調査を続ける。シンガポールでも同様の調査が進んでおり、国際比較も可能になる見通しだ。慶大医学部百寿総合研究センター専任講師の新井康通氏は「100万人規模の自治体でないとできない調査。要介護になる過程など、経過がどのような要因によって説明されるかで健康長寿の秘訣がわかってくる。次代に役立つ情報として、健康産業に生かしていきたい」と語った。

中原区版のトップニュース最新6

使いやすく大幅増補

市おくやみガイドブック

使いやすく大幅増補

手続きの煩雑さ解消に

4月19日

仲間と歌いつなぐエール

能登半島地震復興ソング

仲間と歌いつなぐエール

市長や市議も「個人」で参加

4月19日

アート体験 視覚障害者に

岡本太郎美術館

アート体験 視覚障害者に

CF初挑戦、支援呼び掛け

4月15日

救急隊、日中に増設

中原消防署

救急隊、日中に増設

到着時間の短縮めざす

4月12日

5年ぶり重要郷土資料に

江戸時代後期「富士信仰」

5年ぶり重要郷土資料に

市ノ坪の民家で所蔵

4月12日

市民の「誇り」向上

川崎市イメージ調査

市民の「誇り」向上

「来訪推奨度」は過去最高

4月5日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月19日0:00更新

  • 4月12日0:00更新

  • 4月5日0:00更新

中原区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

中原区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月25日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook