4月1日付で中原消防署長に就任した 石井 博道さん 横浜市在住 59歳
深い思考で火災を予防
○…予防課長として中原消防署に勤務していたのは6年前。高い建物が増え、若い家族連れが増えた印象だ。署長として戻ってきた日、署員に呼びかけたのは「ルールを守ろう」という当たり前のことだった。「公務員は市民の見本であるべき。中原区は、人口と共に増える救急出動や高層ビルの消火活動など、需要にどう応えていくかが課題」と意気込む。
○…福島県出身。大学卒業後、消防の道へ。現場の花形とされる消火活動より、火災発生を未然に防ぐ予防活動の仕事に長く取り組んできた。建設予定のビルの間取りを見ながら消防設備の取り付けを指導したり、計画中の地下フロアに避難用の階段設置を求めたり。中原消防署近くに建つタワーマンションは、そんな消防法適合のための事前相談から携わった縁もある。「発展する街の安全管理に関われて嬉しかった。建築物の寿命は最低でも50年。住む人が安全に過ごせるように造ってほしいと思いを込めた」
○…高校生の時に哲学に興味を持ち、物事を根本的な部分からじっくり考える癖がついた。深い思考を求めて本を読むうちに、興味は鉱物、星座、植物、動物、昆虫、地球の歴史と広がっていった。
最近は、亡き妻を思った歌を多く残したという奈良時代の歌人・大伴旅人に自身を重ね、万葉集を読んでいた。「昨年、女房を亡くしてね。元号が令和に決まる前から読んでいたから驚いたね」
○…行政、警察、消防の連携を図り、まちの安心安全を目指すため結成された『MEZASHI』について「皆さんからの期待をひしひしと感じる。自分のキャラクターとは違う気もするが、私なりに取り組んでいきたい」と前向きだ。「我々も地域の一員。地元に根差した組織として、安全と安心を提供するのが仕事」
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4月19日
4月12日