医療情報 母国語で提供 区内の主婦らが外国人に無料電話相談
麻生区内の主婦などが設立した市民団体「麻生外国人医療情報ヘルプライン」では、近隣に住む外国人に母国語で医療情報の提供などを行っている。設立から3年を迎えた同団体を取材した。
区内在住の主婦酒井真理子さんが同団体を立ち上げたのは今から3年前。国際協力のNPOで医療情報提供のボランティアをしていた時、麻生区や多摩区、東京西部などからの相談が多く、同地域でのニーズの高さを感じたことがきっかけだった。
海外居住や留学の経験がある人に募集をかけると近隣に住む主婦など約30人が集まった。
電話相談は週2回、月曜日と金曜日。区内の一角を借り、外国人からの相談に対応している。英語、スペイン語、中国語などを網羅し、症状や要望にあった医療機関を紹介するのが主な仕事だ。現在紹介ができる医療機関は約150件。メンバーらが一件ずつ電話やアンケートを行い、外国語が話せる医師がいる病院の情報を集めた。
相談内容は風邪や持病、歯痛など多岐に渡るが、最近は妊娠、出産という内容が増えているという。「安心して出産できる環境を整えるのは今、日本人でも大変なこと。外国人が医者にかかるということは私たちが思う以上に不安が大きい」と酒井さんは話す。
設立から3年。区との協働事業として始まった活動も、その期限が切れたこともあり「活動を維持していくことも大変」とメンバーらは口を揃える。酒井さんらは英会話教室などで活動資金獲得に努めている。
広報活動も課題のひとつ。相談窓口の案内は区報やその他のメディアで発信しているが、外国人の目に触れる機会がなく周知が徹底できていないという。
こうした状況を踏まえ、メンバーらは、積極的に外に出て行くことを決めた。消防署と協力し、外国人向け救急救命講習の通訳を行ったり、保健所の広報物の翻訳や、予防接種時の通訳をするなど活動の幅を広げている。
「本当に困っている外国人はまだまだいるはず。1人でも多くのそうした人々の力になれるよう、私たちの活動を知ってもらえれば」と酒井さんらは話している。
同窓口は毎週月・金曜日(祝日は休み)の午前10時〜15時。
【電話】044(951)6468で外国人からの相談を受け付けている。
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