"里山文化"育み10年 「里山フォーラムin麻生」来月5日に10回目の開催
麻生区内の里地・里山を守る活動を展開する人々が一堂に集まる「里山フォーラムin麻生」が来月5日、10回目の開催を迎える。「都市と自然の共存」を模索してきた主催者にこれまでの歩みとこれからの展望を聞いた。
「区内で里地・里山の保全活動を展開する人々が情報交換をしたり、お互いの活動を認識しあえる機会を作ろうとこのフォーラム開催を始めた。参加団体も年々増え、皆さんの意識の高さを感じている」―。
今から10年前、里山を後世に残すという同じ目標を掲げながら交流がなかった市民団体同士の繋がり作りを目指し、同フォーラムを立ち上げた石井よし子さんは話す。石井さんをはじめとする世話人らは、団体の招致や学識者による講演の準備などを一手に引き受け、毎年趣向を凝らした集会を企画してきた。
石井さん自身も長年里山保全活動に携わってきたひとり。行政との連携や、教育機関へのアプローチなど様々な活動を通じて「活動の担い手同士の繋がりがいかに大切か」に気が付いたという。
「市民活動はともすれば独りよがりなものになったり、緑を守るという地道な活動にくじけそうになる場面も出てくる。そうした壁にぶつかった時、同じように働く人たちの存在はとても心強く、活動を長く続けていく励みとなる。大地に多種多様な植物が共存しあいながら力強く生きるように、私たち団体もお互いの存在を認め合いながら地域づくりを進めていければ」。
10年という節目を迎え、これまで里山保全活動に関わりのなかった人々へのアプローチにも着手した。昨年9月、区との協働事業としてはじめた「里地・里山ナチュラリスト入門講座」の開催もそのひとつ。一般市民に向け、里山に触れる機会を定期的に設けることで、活動への理解を深めてもらおうという試みだ。
「これまで地道な活動をしてきた人たちにも高齢化の波が押し寄せている。活動を途絶えさせることなく、次の世代へと繋げていくことも私たちに課せられた重要な課題」。
次の10年へ向け、新たな挑戦が始まっている。
※同フォーラムは3月5日(土)、午前9時から麻生市民館で開催。区内や周辺地域で里山保全活動を続ける36団体が参加予定。各団体の活動紹介ブースや展示のほか、西生田小、千代ヶ丘小、金程小、真福寺小、東柿生小児童による環境活動の発表、基調講演(講師・一橋大学大学院社会学研究科教授・関啓子さん)、パネルディスカッションなどを予定している。
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