区内高石にオープンしたデイサービス「さくらの丘」の管理者 笠原 泰子さん 高石在住 47歳
支え合いを生きる力に
○…区内高石に先月オープンしたデイサービス「さくらの丘」の管理者として、忙しい毎日を過ごす。目指すのは地域に根ざした施設作り。利用者だけでなく、誰もが気軽に立ち寄れる拠点になろうと施設の一角を地域住民に開放する「コミュニティ・サロン」を開いた。「お茶会や教室、井戸端会議など、様々なことに活用していただければ。皆さんの元気が集まる場所になっていければ嬉しい」
○…専業主婦をしながら夫の祖母を介護する日々が5年続いた。「してあげたいこと」や「してあげなければならないこと」ばかりが頭を占領しているのを感じた。「献身的に介護すればするほど、満たされない何かが心に残った」。この経験がもととなり、平成8年から訪問介護の世界へ。多くの高齢者と向き合う中で、彼らの幸せについて真剣に考えるようになった。「人は誰かに何かをしてもらう”受身”だけでは満たされない。幾つになっても誰かのために何かをしてあげられるという自信が生む幸せもある」
○…地域にこだわるのは、「支え、支えられる」関係性を重視するから。誰かを頼れる安心と、誰かに必要とされる幸せを育むコミュニティの実現に向け試行錯誤が続く。「この施設を作る時にも、本当に多くの方が力を貸してくださった。ひとりじゃないと思えるから、私も頑張れる」。施設作りを応援してくれる人からのエールに自身も支えられている。
○…東日本大震災を受け、施設を中心にしたコミュニティもにわかに行動を起こし始めた。4月24日には、施設と地域が協力し、初のフリーマーケットを開催する。「こんな時こそ手を取り合わなければ。地域の支えあいが生む元気を”生きる力”に変えて、被災地に届けたい。地域に根ざしたデイサービスとして、出来ることを毎日考えている」。繋がり始めた地域との絆を糧に、新しい施設のあり方を模索する。
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