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麻生区版 公開:2011年4月8日 エリアトップへ

米と牛乳で"元気"届けたい 有限会社藤沢商店(片平)

公開:2011年4月8日

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車に牛乳を積む藤澤さん「今日もいってきます」
車に牛乳を積む藤澤さん「今日もいってきます」

 「パニックは外米騒動以上だった」―。

 片平で牛乳と米の宅配業を家族で営む有限会社藤沢商店の藤澤正樹さんは震災直後の混乱ぶりを振り返る。

 東日本全域が大きな揺れに襲われた3月11日。藤澤さん家族の戦いはその翌日から始まった。

 「牛乳が来ない」。藤澤さんらは終日、代替商品の手配や顧客への対応に追われた。周辺のスーパーや小売店で商品の欠品や品薄が相次ぐのと並行して連日電話が鳴り止まない。徐々に市場から姿を消した乳製品や米を求め、区外からも問い合わせが殺到したためだ。 家族総出で、不眠不休の対応が続いた。白米の取引業者のうちひとつは壊滅的被害を受けたという。精米設備を整えていた藤澤さんは玄米での仕入れを各方面に打診し、ようやく米を確保した。

 頭をよぎったのは買い物に行けない1人暮らしの高齢者のこと。「本当に困っているだろうなと思った」。何としても米と牛乳を届けなくてはと自分を奮い立たせた。不安をあおらないようにと、商品や工場の状況を逐一まとめた手紙をしたため、顧客1人ひとりに配った。「欠品が続いています。ご迷惑をおかけしますが、また何かありましたら必ず報告いたします」―。

 3週間が過ぎ、米はほぼ通常通りに仕入れが可能になったが、乳製品は一部欠品が続いている。被災を免れた工場で製造する代替商品で対応する日々が続くが、顧客の中には「牛乳美味しかったよ。元気をもらった。配達、頑張ってね」と手紙をくれる人もいる。藤澤さんは「涙が出るほど嬉しかった。私たちの商品を待っていてくれる人達がいる限り、精一杯商品を届けたい」と目を潤ませる。この地で開業して40年。未曾有の混乱の中、自らが背負う使命に突き動かされるように、藤澤さんは今日も”元気”を配り続ける。
 

顧客からの感謝の手紙
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