川崎市 区内で線量測定開始 市北部の監視体制強化
川崎市が麻生区百合丘で大気中の放射線量の測定を開始した。1時間ごとのデータを同市ホームページ上などで公開する。川崎市の放射線量の測定、公開は3月から行われている川崎区に続き2例目。市南北の数値を計測し、風評防止などに努めたい考えだ。
「不安解消の一助に」
市は震災にともなう東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故を受け、3月15日から川崎区田島町にある川崎市公害研究所で大気中の放射線量測定を開始していた。現在、数値は同市ホームページ上に掲載している。
川崎市役所には市民から「北部では測定しないのか」といった問い合わせや要望が、電話やメールで寄せられていたという。
測定は麻生区内にある弘法の松公園(百合丘2―10)内にある麻生大気測定局の屋上で行われている。同測定局は標高104mで、これまでにも大気中の汚染物質の測定などが行われていた。屋上の位置が地上約3mと、測定局の中でも比較的低く、地理条件も良いことから同測定所が選ばれたという。測定器は可搬型で、約10年前に市が購入し所有していたもの。
データの収集と処理は委託をうけた民間業者が毎日午前9時、午後1時、午後4時の計3回行う。収集されるデータは1時間毎の大気中に含まれる放射線量(1時間値)。収集後約1時間で川崎市ホームページと携帯サイト「モバイル川崎」で公開される。
川崎市環境局環境対策課は「東京電力福島第一原子力発電所からは200Kmほどの距離がある。市内北部、南部の情報を公開することにより市民の不安を解消するとともに、風評被害の防止などに繋がれば」と話している。
文部科学省によれば、自然界における通常時の放射線量は、0・03〜0・1マイクログレイ毎時とされている。公害研究所の測定では、最高で0・134マイクログレイ毎時(3月16日)が測定されたが、今月は0・039〜0・043マイクログレイ毎時 (6月6日現在)。麻生大気測定局の測定では、0・041〜0・051マイクログレイ毎時の放射線量が測定されている(6月6日現在)。川崎市はいずれも「健康に影響のあるレベルではない」としている。
測定の期間は今年10月までを予定しているが、今後の状況により延長も検討するという。
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3月22日
3月15日