来月12日、古楽器の演奏会「音で辿るクラリネットの歴史」に出演する 満江 菜穂子さん 昭和音楽大学講師 32歳
音楽家の思い紐解きたい
○…母校でもある昭和音楽大学で講師を務める。同大の「ピリオド音楽研究所」で歴史的な楽器の研究を行う傍ら、クラリネット奏者としても活動する。来月12日に行われるレクチャーコンサート「音で辿るクラリネットの歴史」では、今から300年以上前に演奏されていたクラリネットを復刻し、時を越えた演奏を披露する。「音楽家のユーモアや、音に対する真剣さ、人間らしい機微に触れる機会をつくれれば」
○…1979年名古屋市生まれ。12歳の時、吹奏楽部で初めてクラリネットに出会った。音大に進学後、3年生の時に「ヤング・クラリネッティストコンクール」で第2位に輝く。大学院に進み、日本クラリネットコンクールに入選する実力を付けると、日本クラリネット協会が主催するクラリネットアンサンブルコンクールでグランプリを受賞した。古楽器としてのクラリネットの演奏を本格的に始めたのは大学院終了後。本場オランダに渡り、3年間研鑽を積んだ。
○…歴史的クラリネットの第一人者エリック・ホープリッチ氏に師事した経験が世界を広げた。ヨーロッパでは18世紀オーケストラやフライブルク・バロック・オーケストラなどと協演。古楽器の魅力と可能性を肌で感じた。「どんな時代の楽器でも、その時代では最先端。当時の音楽家たちが競うように求めた本当の音を紐解きたい」
○…来年2月にはモーツァルトの協奏曲を集めたコンサートに出演する。国内の歴史的楽器演奏者が一堂に会する機会。「時代奏法の研究者によるオケの一員となれることが嬉しい。ソロよりも大人数で一緒に奏でることが好きみたい」。歴史に名を連ねる音楽家の代弁者となるべく、精力的に演奏活動を続ける。
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