川崎市バス ミス防止へ委員会設置 年度内に提言まとめる
川崎市バスで経路誤り等のミスが相次いでいることを受け、市交通局では運行管理に係る改善委員会を発足させた。先月28日には第1回委員会が行われ、ミス発生状況や原因、これまでの防止対策について確認した。今年度中にさらに2回の委員会を開き提言をまとめ、来年度の運行に活かす考え。
川崎市バスの運行ミスは平成22年度に72件発生し、うち58件が経路誤り。今年度も11月27日現在でミス35件、経路誤りが32件を占めている。20年度の5件(うち経路誤り4件)、21年度の11件(同11件)と比べ22年度に急増しているが、同局では21年度以前は本局への報告義務がなかったことにも因るとみている。
運行ミスで乗務員に懲戒処分が課されるのは、ミス発生後、速やかに営業所に報告し、善後策の指示を仰ぐ措置を怠った場合等。21年度の0人に対し、22年度は停職2人、戒告11人。今年度(11月27日現在)は停職2人、戒告4人となっている。
「あってはならないこと」
同局担当者によると、経路誤りの報道を受け、市民から「(市バスは)どうなっているのか」といった声は寄せられたが、運行ミスに対する直接的な苦情は耳にしていないという。しかし、度重なる運行ミスの発生には「お客様に迷惑をかける、あってはならないこと」としている。
経路誤りが発生する原因の一つに、乗務員が運行途中に行き先が分からなくなる点が挙げられる。同局では対策として▼車内案内放送の改善▼行き先表示を車内から目視できるミラーを設置▼乗務員が持つ運行表の作業指示書(行動表)をカラー化――などの措置を講じてきたが、「交差点の寸前で意識が飛んでしまうようだ」(担当者)と話す。
改善委員会を組織するのは学識経験者や民間バス事業の実務経験者のほか、交通心理学者も加えた計4人。外部の視点を加え専門的な観点から検証する。交通心理学を応用し、一般の交通事故の分析結果をミス防止に役立てる。
先月28日の第1回委員会では、運行ミスの発生状況や原因、発生後の対応や指導、運行管理などについて審議。今年度中に提言をまとめ、来年度の運行に活かす方針を確認した。
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