仲間や地域との絆、太鼓とともに 片平囃子連
すっかり夜になった午後7時。片平会館の一室から笛と鉦(かね)の音に合わせ、力強い太鼓の音が響いてくる。
真剣な表情で囃子の稽古をするのは片平囃子連のメンバー。代表の粕谷與四郎さんを中心に小学生から66歳までの16人が所属する。太鼓(3人)と笛(1人)、鉦(1人)からなる囃子はふるさとの祭事にはなくてはならない存在。メンバーらは週2回の練習を欠かさない。
片平囃子連は古くから片平地域の伝統芸能として地域に根付いてきた。太鼓や笛には譜面が存在しないため、親から子へと口承で伝えられてきた。この伝統も高度経済成長期などを経て一時は途絶えたが、粕谷さんらが先人たちから受け継いだ伝統を今一度大切にしていきたいと、平成9年に活動を再開させた。現在は真福寺囃子連の熟練メンバーから指導を受けながら、技術の向上と若手の育成に力を注いでいる。
数年前からは囃子の魅力を子どもたちに伝えたいと、片平小や柿生小への出前授業にも積極的だ。「子どもたちが目を輝かせながらバチを握り、太鼓を叩く姿は昔の自分達そのもの。囃子を習いたいと手を挙げる子どもがいれば、思わず笑顔がこぼれる」。粕谷さんが一番嬉しい瞬間だ。
粕谷さんが子どもたちに伝えたいのは、仲間と一緒に伝統芸能を続けていくことの大切さ。成長するにつれ、子どもたちは部活に受験、アルバイトなど様々な転機を迎えるが、「仲間と一緒に一体感をもって囃子に取り組むことに楽しみを見出してくれさえすれば続けられる」と粕谷さん。自身も白鳥神社の例大祭で仲間とともに祭りを盛り上げることが何よりの幸せだ。
「囃子は祭を盛り上げてなんぼ。太鼓を叩いている時、地域の人たちが拍手しながら笑顔で寄ってきてくれると嬉しいね」。地域に笑顔と元気を届けながら、若手に囃子の「心技」を伝えていく。
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3月29日
3月22日