弘法の松公園 シンボルツリーを植替え 虫食い病で枯れ木に
区内百合丘2丁目にある「弘法の松公園」の松が「松食い虫」の被害で枯れ、先月29日に植え替えられた。弘法大師と麻生区の繋がりを今に伝える「シンボル」として親しまれてきた1本松が代替わりした。
「弘法の松」は、かつて弘法大師がこの地に訪れ、寺を建立する代わりに松を植えたという言い伝えとともに語り継がれてきた。1956年までは現在の弘法の松公園の一角に存在し、樹齢100年を超える黒松の銘木として、神奈川県の天然記念物に指定されていた。その後、同年に発生した火の不始末による火災で燃え枯れ、切り株の一部を残すのみとなった。郷土の伝承を後世に伝えようと62年に、新たな松が植えられたという。
松は数回の植え替えの後、03年に植えられたものが10m以上に成長し、「1本松」として近隣住民から親しまれていた。
松枯れの原因は「マツ材線虫病」と見られる。針葉に赤褐色化が見られ、枯れはじめたことから、先月末に撤去された。
マツ材線虫はカミキリなどがつけた薔傷から松の樹脂道に進入し、仮道管を閉蓋する。水が通らなくなった松はほとんどの場合枯れてしまうという。新たに植えられた松は2本。松食い虫に強いとされる「マツノザイセンチュウ抵抗品種」が選ばれた。麻生区役所道路公園センターでは「枯れてしまったため、やむなく植え替えた。植え替えた松はマツ材線虫病による影響に抵抗性のある品種なので、新しい松の成長を見守りたい」と話している。
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