麻生いけばな協会会長を務める 阿部 芳子さん 王禅寺東在住 60歳
渾身の思いを花に込めて
○…今月14日から新百合ヶ丘駅前のオーパ1階ホールで生け花の作品展を開催する。8つの流派25人が趣向を凝らした多彩な表現で会場を彩る。多忙な社会で少しでも人々の心を和ませる空間を演出できればと企画し、今年で12回を数える。「商業施設も花を飾るだけで雰囲気が180度変わる。季節感あふれる花に魅せられ、人々の心がほっと一息つけるようなイベントにしたい」
○…高校3年生から草月流の教室で生け花を学んできた。24歳で結婚し、区内に転居した時、それまでの価値観を覆す”生け花”と出会った。バランスや花材の配置に時間をかけ、空間を見極めながら活ける先生の姿に生け花に対する情熱と力強さを感じた。「きれいに飾れば良いという生け花への考えが崩れ、衝撃を受けた」。ひたすら鍛錬し、尊敬する先生が務めていたいけばな協会会長に就任するまでになった。「生け花の世界に頂点はない。まだまだ高みを目指し、努力しなければ」
○…料理が趣味の1つ。最近は話題の塩麹を使った料理がマイブーム。魚や肉、豆腐などに組み合わせ、相性抜群の一品を探す。盛り付けにもセンスが光る。「料理も生け花も彩りは大事。大皿のどこにメインを配置しようかあれこれ考えながら、創意工夫するのが楽しい」。季節や場所に合わせて生け花が花材を選ぶように、料理もその時の気分や雰囲気に合わせて自由にアレンジしていく。
○…厳格な規則や手順にしばられた敷居が高い世界と誤解されがちな生け花のイメージを払拭し、多くの人々に魅力を知ってもらうことが今後の課題。「生け花は決して特別な世界ではない。雑草でも庭の花でもどこかに何かを飾ろうという気持ちがあれば充分。男性で興味を持つ人もいる。自分なりの表現で気持ちを込めることが大事だから」。一輪の花の向こうに広がる無限の世界を見極める瞳が輝く。
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3月29日
3月22日