クマネズミの苦情増加 10年前と比べ約6倍
川崎市でクマネズミの苦情相談が増加している。2011年度の相談件数は3096件。500件程度だった10年前と比べ約6倍。最近では繁華街や高層ビルの多い商業地だけでなく住宅地からの通報が増え、市では家庭での対策を呼びかけている。
クマネズミは体長15cm程度で運動能力が高く、電線や壁を登ることができる。温暖な環境を好み、冬でも暖かい繁華街やビル街などに多く生息する。殺鼠剤メーカーやネズミの研究者等が設立した『ねずみ駆除協議会(川崎区)』は「他のネズミに比べて警戒心が強いため駆除が難しい。1960年代まではほとんど見られなかったが、市街化が進み急増したようだ」と話している。
2011年度の相談件数を区別にみると、川崎区314件、幸区314件、中原区471件、高津区426件、宮前区623件、多摩区520件、麻生区428件。
同協議会ではビルで繁殖しすぎた結果、住宅街に生息域が広がり、住民の目に触れる機会が多くなったことが相談件数を押し上げた一因とみている。
ネズミは感染症の病原菌を媒介したり、電線やガス管をかじることで火災などの原因をつくることもある。これからの時期はネズミに寄生したイエダニが大量発生するため人体への影響も懸念されるという。
家庭での対策呼びかけ
川崎市では昨年度まで薬剤の配布をしていたが、環境や人体への影響と、抵抗力の強いネズミ(スーパーラット)を生み出す可能性への配慮から、今年度は配布を中止した。
市担当者は「餌となる食べ物を置きっぱなしにせず、プラスチックやビニールなど巣作りに必要な材料を放置しないことが重要。換気口やエアコン導入部などの侵入口を塞ぐことも必要に応じて行ってほしい」と話している。
また、ねずみ駆除協議会では、駆除対策などを載せた「ねずみ駆除」の手引きをホームページで公開。食べ物の管理方法やネズミの侵入路を閉鎖するポイントなどを公表している。
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3月29日
3月22日