市役所庁舎 現地建て替え案を検討 老朽化進み、耐震対策
川崎市と学識者らで構成する外部委員会が、老朽化が進む市役所本庁舎と第2庁舎の耐震対策を検討している。戦前に建てられた本庁舎の杭や基礎に関する詳細な図面が残っていないため、確実な工期や工法が見込めない実態もあるという。事実上、現地で建て替える案が有力となりそうだ。
川崎市役所は現在、本庁舎本館・北館、市議会が入る第2庁舎、民間ビルを借り上げている第3庁舎と第4庁舎があり、分散する形で構成される。
耐震上問題となっている本庁舎本館は1938(昭和13)年に築造、北館は1959(昭和34)年に築造、第2庁舎は1961(昭和36)年に築造された。3館とも最低限必要な耐震基準を満たしていないという。
こうした状況を踏まえ、川崎市は幹部職員で構成する内部委員会を発足。学識者らによる外部の検討委員会も設けて耐震対策の調査・検討を進める方針という。
ただ、5月に市が公表した報告書では、耐震補強工事が困難なため、新庁舎の建設を前提とした2案を提示。本庁舎と第2庁舎を解体して本庁舎跡地に新庁舎を建設するA案と武蔵小杉駅周辺か武蔵溝ノ口駅周辺に新庁舎を建設して全部局を移転させるB案を比較検討した。
初期投資と維持管理を考慮したコストはA案が1081億円、B案は現庁舎跡地を売却できた場合に1082億円と試算。比較した結果、新たな建設地の確保や庁舎跡地の売却に不確実な面があることから、最短で2021年に供用開始が可能な現地建て替えのA案が有利と報告した。
阿部孝夫市長も6月の会見で現地建て替えの意向を示した経緯もある。
市総務局庁舎管理課の担当者は「外部委員会の提言や市民からの意見をもとに様々な角度から検討していきたい」と話している。
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3月29日
3月22日