中途失聴・難聴者への理解を 3月9日「耳の日の集い」
3月3日「耳の日」にちなみ、川崎市中途失聴・難聴者協会(伊藤実会長)は3月9日(日)、川崎市国際交流センター(中原区)で「耳の日の集い」を開催する。難聴者の聞こえない悩みを市民に知ってもらい、理解を呼びかける。
川崎市中途失聴者・難聴者協会は、失聴者らの自立と市民に理解を深めてもらうことを目的に1991年に発足。現在は、人生の途中で聴覚を失った中途失聴者ら60人と、サポート役を務める健常者ら50人の会員が活動している。
同協会が主催する「耳の日の集い」は2000年にスタートし、今年で14年目。第1回目から実行委員長を務める協会副会長の伊藤雅子さんは「同じ悩みを抱える人が支え合いながら自立し、市民にも実情を理解して頂くのがテーマ」と話す。
「支え合いを大切に」
そんな伊藤さんも中途失聴者の一人だ。耳が聞こえなくなったのは20代半ば。当時勤めていた会社の上司からの呼びかけに気づかなかったことで発覚したという。「初めは事実を受け入れられず、聞こえているフリすらしていた」。自殺を考えた日もあったというが、両親からの励まし、仲間との助け合いにより前を向いて生きてきた。
中途失聴の原因は、主に病気や薬害で原因不明も多い。生まれつき失聴障害のあるろう者とは違い手話の技術がなく、突然コミュニケーション手段が断たれることが大きな壁になる。そのため家に引きこもる人が多いという。伊藤さんは「だからこそ、外に出て人との支え合いを大切にし、明るく生きてほしい」と呼びかけている。
今年の「耳の日の集い」は、失聴者とも接する機会の多い客室乗務員による特別講演や、手話を交えたダンスや発表会などを予定。パソコン要約筆記、手話通訳、磁気誘導ループ等も用意されている。午後1時開演、前売券500円。同協会では「多くの方にご参加いただき少しでも理解してもらえたら」と話している。
なお、市健康福祉局によると、市が認定している聴覚障害者は平成25年3月時点で2923人。うち中途失聴者の人数は明らかになっていないが「障害を打ち明けられず悩んでいる人も多いと思う」としている。
問い合せは【FAX】044・753・0596、又は【メール】kawa.nanchou@nifty.com/。ホームページは「川難聴」で検索。同協会では活動を支える健聴者の会員も募集中。
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