区内にキャンパスを構える日本映画大学の三澤拓哉さん(4年)の初監督作品「3泊4日、5時の鐘」が、2つの国際映画祭に出品される。「第25回シンガポール国際映画祭」と「第14回マラケシュ国際映画祭」(モロッコ)で9日、同時に初上映(ワールドプレミア)が予定されており、世界へと発信される。
在学中の学生が監督を務めた作品が、国際映画祭に出品されるのは、国内に唯一の映画大学である同大学でも初めて。AsianVision部門で正式上映される「シンガポール国際映画祭」は、東南アジアで初めて開かれた歴史ある国際映画祭で、コンペ部門で正式出品される「マラケシュ国際映画祭」はアフリカで最も高い位置づけの国際映画祭だという。
映画を日本から世界へ発信する映画制作会社「和エンタテインメント」と大学の講義で出会い、その後監督の打診を受けたことが国際映画祭出品へのきっかけとなった。脚本・監督を務めた三澤さんは「参加作品として選んでいただき、非常に光栄。撮影に協力していただいた方々に一つよい報告ができそうでほっとしている」と話した。
撮影はゆかりある茅ヶ崎
「3泊4日、5時の鐘」は、茅ヶ崎を舞台に男女7人が織りなす青春群像劇。渦巻く男女をつなぐ糸が絡まりほつれ、凧のように統制不能になっていく様子を描いた。寒川町で生まれ、茅ヶ崎北陵高校出身の三澤さんがゆかりのある茅ヶ崎でメガホンをとり、7月に行ったロケには同大学の学生7人のほか、地元のボランティア100人弱が参加した。
また、名作「東京物語」などで知られる巨匠・小津安二郎さんが定宿していた湘南の旅館「茅ヶ崎館」を撮影場所として使用。由緒ある同館が撮影場所として全面的に使用されるのは初めてだという。三澤さんは「貴重な経験をさせていただいた。茅ヶ崎館での撮影で画面が映え、外に出れば海で最高のロケーションだった。大学で学んだことを生かし、思う存分できたと思う。作品がご当地だけで観られるのではなく、世界の人々に観ていただき、茅ヶ崎を発信したい」と話した。同作品は、英題「CHIGASAKI STORY」として世界へ発信。国内での一般公開は来年春を予定している。
麻生区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|