製作したイキメン研究所のメンバーら（上の写真）。矢印を重ね「父」の字を表現している「ちちしるべ」の表紙（下）
日頃の仕事であまり育児が出来ない父親にも主体的に子育てを楽しんでほしいと、川崎市男女共同参画センター（すくらむ21）＝高津区＝はこのほど、父親たちが手作りした子育てガイドブック『ちちしるべ』を発行した。希望者に郵送するほか、同センターでの子育てサロンなどで配布する。
製作したのは、主に市内の父親たちが結成した「イキメン研究所」メンバーら９人。「イキメン」とは「地域で『イキ』活きと活躍する男性（メンズ）」の略称だ。同研究所は、男性が家事、育児をすることが当たり前になる社会づくりを目指し、２０１３年に発足。現在は毎月、すくらむ21で、父親同士が交流を深める「サロンパパス」などを開催し、情報交換の機会を提供している。
冊子はＡ５判オールカラー26ページで発行は３千部。すくらむ21によると、市民中心で製作したパパ向け育児ガイドブックの発行は市内初という。内容は子どもの寝かしつけ方、おむつ交換の仕方などのほか、市内のお出かけスポットも紹介。また育児と仕事を両立するため「朝は15分早く起床」「仕事は30分早く終わらせて退社する」など、時間管理法も綴っている。
製作の背景には、長時間労働や育児休暇の取得が困難など、働く男性の現状がある。内閣府がまとめた最新の全国調査によると、男性の育児休暇の取得は２０１３年度で２・03％。政府は３月に閣議決定した「少子化社会対策大綱」で、２０２０年までにこれを13％に高める目標を定めたほか、配偶者が出産した直後の男性の休暇取得率を80％にしたいとしている。
同研究所の吉田貴成さん（40）は「製作しながら、目からウロコが落ちることが多かった。多くの父親に読んでもらいたい」と話した。問い合わせは、すくらむ21（【電話】０４４・８１３・０８０８）へ。
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