県内の振り込め詐欺被害が昨年比で減少する中、麻生区は既に件数、被害額共に昨年1年間を上回るなど変わらず猛威を振るっている。警察や行政、地域団体などが連携して対策強化に乗り出しているが、住民の意識向上や協力体制の構築も不可欠な状況だ。
神奈川県警が発表している8月までの振り込め詐欺の状況をみると、2015年は発生認知件数587件で、被害額は17億4475万円。昨年の同時期が認知件数1078件、被害額32億324万円なので、ほぼ半減している。
これに対し麻生警察署管内では、今年9月18日現在の被害状況は認知件数20件で被害額が約6600万円。昨年1年間の認知件数16件、被害額3200万円を既に超えている。主に高齢者や富裕層が集中的に狙われており、現在捜査中の件を含めると被害額は1億円に迫る状況だという。
手口の巧妙化などにより、銀行窓口対応だけでは防ぐことの出来ない事件も多いことから、8月に区役所や警察、防犯協会、銀行、町会連合会、大型商業施設が「振込め詐欺等対策協議会」を設立。広報啓発などをそれぞれの立場で実施している。
同協議会では迅速な防止策を住民に提供しようと、区役所などが防犯と防災等の情報を配信している「セーフティメール」を活用し、被害情報等の通知を本格化させた。被害発生や不審電話に関する情報を即座に提供することで注意喚起を促すのが目的だ。関係者は「現在の登録は3700件ほどだが、より多くの人に登録して頂き、区民全員で被害を防いでいく気運を高めたい」と話す。セーフティメール登録については区役所危機管理担当(【電話】044・965・5372)へ問合せを。登録は麻生警察署窓口などでも対応している。不審な電話を受けた際は110番か麻生警察署(【電話】044・951・0110)への連絡も呼びかけている。
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