教訓を未来へ、いま私たちがやるべきこと 川崎市議会議員 おいぬま純
2011年3月11日の東日本大震災発生から丸5年が経過しました。被災地は幹線道路等のインフラは約90%以上の復興が進んでいるのに対し、宅地造成等は約10%程度、仮設住宅に未だ入居せざるを得ない方々も大勢いらっしゃいます。震災の教訓を未来に活かす為に、改めて「備え」の大切さを考えてみましょう。
川崎市においては「川崎市国土強靭化地域防災計画」と称し、震災・風水害等あらゆる災害を想定し防災強化を推進しています。「予防」「初動対策」「応急対策」「復興計画」他から構成され、時系列に並べることで的確な措置を講ずる準備が整い始めています。
「心」の復興が真の復興
「復興が遅い」「やる事がない」など、仮設住宅に継続して入居されている方々からの声があります。住宅ができたとしても仕事がなく、収入が得られず、その為に、仮設住宅に留まる事しか出来ない現状です。仕事ができても保育所が整備されず、働きに出る事もできない。仮設住宅から退居できる復興とは、その地域のライフライン回復から始まり、住宅再建、産業復興、経済の自立を指すのではないかと考えます。道路等ハード面の復旧は行政の施策の中で一定の回復速度は見られます。何よりも「人と人とのコミュニティ再建」「地域・社会活動への参加」を迅速に再建し、安心感や希望を見出すことが先決です。
避難所のあり方
災害時の避難所は前述の「防災計画」で策定されています。「広域避難場所」「指定避難所」「避難所補完施設」麻生区内には計78箇所の施設が定められています。また、「一時避難場所」として町内会等で安全確認のための場所を定めています。大規模災害時には大量避難者で溢れ返り、長期的な避難を強いられる状況もあります。避難所とは「精神的、物質的なストレス」や「避難者同士のコミュニケーションのズレ」のみならず、感染症予防・衛生問題に対しても対策が必要です。また、デマ・不安を煽る情報が出回る事もあります。こういった事象に対し「被災者支援拠点」として情報統制機能・物資供給支援の中枢を担う位置づけが避難所には求められます。その中、子どもからお年寄り、体の不自由な方々に対して、多様なニーズに応えられる場所であることが、早期に日常を取り戻す為に必要だと考えます。
川崎市の防災力
大地震のみならず、近年の豪雨、大雪による気象災害への対応が急がれています。市街地の耐震・不燃化、急傾斜地への崩壊防止、川崎市道路整備プログラムの再考等、多面的に対応が進んでいます。「安全なまちづくり」は、『天災は極限まで微小に、人災は決して起こさない』という強い気持ちと行動が創り上げるものであると考えます。
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