全国の小中高校で事故が多発している組み体操について、川崎市教育委員会は、春の運動会・体育祭での実施を見据え、「安全を十分に確保した上で実施の判断をする」とした通知を、市内各校に出した。
組み体操には、背に乗る「ピラミッド」や肩の上に立つ「タワー」など、下支えの人にかかる重さや、一番上に立つ人の高さが、けがの原因となる大技も多い。全国では年間8千件を超える事故件数が報告されている。川崎市内では13年5月、区内柿生中学校で、組み体操の練習中にタワーが崩れて7人の生徒がけがをした事故が発生している。
事故の続発を受け、東京都教委では、「ピラミッド」と「タワー」の今年度の実施を休止。段数制限や組み体操廃止の方針を示した教委もある。これに対し、川崎市の通知には組み体操実施についての明確な基準は示されず、各校の判断に委ねられる形となる。教委への実施報告義務はない。
市内の小中高175校のうち、昨年度組み体操を行ったのは8割程度。川崎市教委は「無理のない指導計画を立てるなどの周知徹底を図った。組み体操の実施は、十分な安全を確保できた上でのこと」としている。
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