区内細山在住の前川和彦さん(東京大学名誉教授)が理事長を務め、指揮を執る「認定特定非営利活動法人 災害人道医療支援会(HuMA)」が4月22日、被災地・熊本に赴いた。全国の救命救急医や看護師らのボランティアで構成される同団体は、避難所で二次被害などに苦しむ被災者の診療やケアを行っている。
先月14日から発生し、甚大な被害を及ぼした「平成28年(2016年)熊本地震」―。避難所で暮らす多くの被災者は、いまだ続く余震への恐怖、停電、断水、食料の不足、窮屈な空間など、過酷な状況下で生活している。
HuMAの前川理事長は「医学的な視点から見ても、避難所での生活は肉体的にも精神的にも大きなストレスを強いるもの。トイレの我慢などにより、エコノミークラス症候群の発症といった二次被害も発生している」と語る。
被災地で苦しむ人々を救おうと全国から立ち上がったのが、HuMAの救命救急医や救命を専門とする看護師ら。平常時はそれぞれ病院などに勤務し、災害時に集結するボランティアだ。医師3人・看護師1人・調整員1人の5人1組、計5チームが先月22日から順次、熊本県内でも被害の大きかった南阿蘇村や益城町などの避難所へ入った。約1カ月間、避難所で暮らす被災者の治療・診療、寄り添い、必要な薬品の提供、衛生管理指導などにあたる予定だ。「被災地は悲惨な状況。南阿蘇村の避難所ではノロウイルスが大量発生しているという報告も入っているので、衛生管理も急務」と、前川理事長は語る。
前川さんは地下鉄サリン事件の被害者の治療に携わり、東日本大震災時には内閣官房の原子力災害専門家グループの一員として名を連ねるなどの経験をもつ人物。「高齢者など災害関連死も発生している」と警鐘を鳴らす。HuMAは活動資金となる寄付金を募集している。寄付の方法など詳細は、同団体HP(【URL】http://www.huma.or.jp/shienbokin.html)。
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