全国で活動する子ども向け音楽劇の劇団「山の音楽舎」代表を務める 川中 美樹さん 多摩美在住 51歳
豊かな子どもをより多く
〇…音楽劇や遊び、アートのWS(ワークショップ)などを全国の親子劇場・子ども劇場、首都圏の保育園や幼稚園、小学校で行う「山の音楽舎」を立ち上げて20年目。2月にあさのみ保育園で親子向け公演を行うほか、7月にはポーランドの乳幼児芸術フェスティバルに参加。「世界の演劇シーンは乳幼児に目を向けている。私たちは日本の伝統的な子育てを伝えるわらべうたを中心にした演目で、日本の歌や精神性を世界に伝えたい」と初の海外公演を心待ちにする。
○…大阪に生まれ、小学校教師をめざし大学に進学したが、4年生の時に京都で観たオペラシアターこんにゃく座に衝撃を受けた。「やりたいことがここにあった」と、夜行バスで東京に通い公演を追いかけ「大反対の両親を口説き落として座の研修所に入りました」と当時を振り返る。こんにゃく座では公演のピアニスト、音楽スタッフとして活動。結婚と育児で座は退団したが30代前半の時、娘が通っていた保育園でオリジナル作品を上演したことから乳幼児向けの舞台依頼が増え、山の音楽舎設立へと繋がっていった。
○…年に数回の地方ツアーや各地での公演にWS、講座などの合間に稽古や研修が入り込む多忙な暮らしを続ける。「大阪から移住した母親がサポートしてくれているので、チームで子育てをしてきた感じ」と笑う。活動を見て育った大学4年の娘はダンサーとなり、最近では山の音楽舎公演に出演するなど、嬉しい出来事も生まれている。
○…これまでふれあってきた子どもは12万人以上。活動の行動基準は「私がやる必要があることをやる」。子どもたちに必要なのは身体を動かし、声を出して言葉を豊かにしていくことだという。「豊かに育つ子どもをどうしたら増やせるのか、制度面も含めて考えたい。大変ですが、子どもたちと深いところで出会える、こんなに幸せな仕事は無い」。満面の笑みが充実した暮らしを物語っている。
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3月15日
3月8日