市民団体「ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」はこのほど『根絶!ヘイトとの闘い 共生の街・川崎から』(緑風出版)を出版した。「新聞の見出しやテレビ画面でしかヘイトスピーチを知らない方に、手に取っていただきたい一冊。マイノリティーの痛さ、辛さ、悔しさを実感していただきたい」と同ネット事務局の山田貴夫さんは語る。
同ネット結成のいきさつから川崎市、市議会、裁判所、法務省、警察、国会への働きかけの記録を同ネットに関わる当事者や識者7人が10章に分けて綴る。
山田さんによると、要望書など原文のまま掲載しており、運動のプロセスが分かるという。ヘイトスピーチの被害者当事者・崔江以子さんが担当した章は「当事者ならではの迫力ある筆致で読みごたえもある」。法務局勧告やヘイトデモ禁止仮処分命令については、「同ネットの取り組みの成果」と強調する。
川崎市は現在、市内の公的施設でのヘイトスピーチを事前抑止する指針案を出している中、同ネットはガイドラインの重要性を認識しつつ、「あくまでも審査基準。根拠になるものが必要」とし、「人種差別撤廃条例」の制定を求めている。同書では条例の必要性についても丁寧に説明する。
四六判。237ページ。1900円税別。書店販売のほか社会福祉法人青丘社(【電話】044・288・2997)でも取り扱っている。
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