麻生区版 掲載号:2017年10月20日号 エリアトップへ

柿生郷土史料館タイアップ企画 柿生文化を読む 第110回 シリーズ「麻生の歴史を探る」徳川入府(5)〜増上寺領王禅寺

掲載号:2017年10月20日号

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【前回から続く】

 表1はその時の王禅寺村農民の田畑の所持状態を表したもので(市史、志村家文書)、筆頭の三十郎は4町4反余の田畑と屋敷3か所、新左衛門は3町3反余の田畑と屋敷2か所を持ち、田畑屋敷の農民構成を見ると、田畑で1町5反歩以上所有者が13名(全農民の30%)、5反歩以上1町5反未満が17名(同40%)、5反歩未満が13名(同30%)で、43名中屋敷を持たぬ農民が8名おります。

 表2は寛永九年より83年後の正徳五年(1715)の検地による水帳控(市史、志村家文書)ですが、一目で村の変貌がわかります。それは田畑の所有面積が細分化され、戸数が増え、「山」の欄が設けられていることです(坪とは屋敷面積とみてよい)。ちなみに三十郎家は没落(12宇右衛門家は孫にあたる)し、筆頭は弥五右衛門(表1-5善右衛門、現琴平神社志村家の遠祖)の3町6反余歩となりますが、注目すべきは田畑1町5反以上所有の農民は僅か4名、5反歩以上1町5反未満所有が31名(33%)である一方、5反歩未満の農民が59名で全体の62%以上を占めていることです。

 このことは、この階層が田畑に頼らず村に居住することを可能とする生業があったということで、これが世にいう農間渡世(炭焼き、露天商)・職人稼業で、増上寺領という特殊性が王禅寺村と江戸の町を近づけていたのでしょうか。

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