麻生区版 掲載号:2018年2月16日号 エリアトップへ

柿生郷土史料館タイアップ企画 柿生文化を読む 第118回 シリーズ「麻生の歴史を探る」民間信仰(4)石造物〜お地蔵さま 後編

掲載号:2018年2月16日号

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川井田の子育て地蔵
川井田の子育て地蔵

 【前編から続く】風雪に耐え村の辻に立つ”石のお地蔵さま”の姿は私たちが祖先の生活を偲ぶ原風景ですが、このお地蔵様の造立のピークは享保年間(1716〜35)の頃で(市調査書)、確認された地蔵像は市内で約270体とのことです。今は野山や村の辻は無く、多くのお地蔵様は姿を消しますが、そのいくつかは有志の方によって今も大切に残され、民俗信仰を知る文化財になっています。

 岡上の川井田には赤い頭巾に赤い袈裟、高さ約1m程の典型的な地蔵様が子育て地蔵と呼ばれ小屋が設けられ保存されています。また、同じ岡上の山伏谷戸には、谷戸のお地蔵様と親しまれる地蔵が今も存在しており、栗木常念寺の六地蔵の中の一体は、イボ取地蔵ともいわれ、この地蔵の頭や顔を撫で擦るとイボが取れると信仰され、事実、お顔の部分が擦り減っています。

 万福寺の十二神社の境内には寛文十三年(1673)造立銘のある、右手に錫杖、左手に宝珠を持った光背型地蔵菩薩があり、今は区画整理事業で神社下に集められ大切に保存されています。光背型地蔵とは光芒を背に型どられ地蔵像が浮き彫りされた板碑型の石造物で個人の造立が多く、王禅寺西、真福寺跡の紫陽花の咲く草叢(くさむら)に何方が管理されているか石仏群があり、その中に元禄年間造立のこのお地蔵様を見ることができます。王禅寺日吉、山王社の東には地域の方によって石仏が集められていますが、ここにも光背型地蔵様があり、この頃この地の庶民の間に地蔵信仰が盛んだったことを物語っています。そして、そのお地蔵様は前述したように燈篭型から、寺の境内の六地蔵、野辺に立つ石の地蔵、そして庶民が造立の光背型地蔵に至りますが、その信仰は六道冥府から菩提、延命、病魔、厄除け、家内安全、子育てなど、時代とともに変化しています。そして、その中で近世、子育てと名が付くお地蔵様が多くなってきています。

   文:小島 一也(遺稿)
 

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