川崎市は1日、「柿生駅周辺地区まちづくりビジョン(案)」を策定した。同地区ではこれまで道路などの整備が進まず、1984年には地区整備構想の策定などが行われてきたが、効果的な結果が得られていないため、改めて同案を策定し、計画的なまちづくりを推進していく。市では3月5日までパブリックコメントを行っている。
1927年に開設され、駅としては麻生区で最も古い「柿生駅」―。区内では新百合ヶ丘駅に次ぐ乗降客数を誇り、昨今では小田急線の複々線化、横浜市営地下鉄3号線の延伸検討など、地域のまちづくりに対する機運が高まっている。しかし、柿生駅前の賑わいや活気の不足、鉄道で南口・北口が分断されているため、まちの一体感が感じられないこと、駅前道路の幅が狭く、歩行者に危険性があること、駅に近い2つの踏切の安全性、鉄道とバスの乗り継ぎの不便さなどが課題として挙げられている。
これらの課題を解決しようと、市は駅を中心とした、南口・北口の一体的かつ計画的なまちづくりを推進するため、同案を策定。概ね30年後の展望として、「賑わいと交流の拠点ゾーン」「まちなか居住ゾーン」のほか、駅周辺の円滑な交通や周辺地区との連携強化を図る「広域連携軸」、駅南北間の回遊性の向上などをめざす「地区連携軸」、南北を横断する歩行者の安全性・快適性の向上を強化する「南北連携軸」を形成し、誰もが暮らしやすい魅力あるまちの実現をめざす方針だ。「南北連携軸」では、歩行者が横断するための通路等の整備も検討されており、市の担当者は「駅のホームがあるため、立体的なものになるだろう」としている。また、賑わいをもたらすため、オープンスペースや商業施設などの整備、周辺の病院と連携した医療・福祉施設、子育て支援などの生活利便施設の集積も方針に盛り込まれている。南口で安全面に課題のある駅前の交通についても、柿生町田線を都市計画道路としてゆくゆくは整備していくという。
「人が呼べる環境づくりを」
地元住民らからなる「柿生駅前南地区市街地再開発準備組合」の鈴木澄夫理事長は「開発、発展が続く新百合ヶ丘と鶴川の間で、柿生も新しいまちにし、人が呼べるような環境づくりを進めていかなくてはならない」と話す。市では3月5日まで市民意見を募集し、3月末ごろに本ビジョンを策定する予定。意見の提出方法などの問合せは、市まちづくり局(【電話】044・200・3009)へ。
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