麻生区と田園調布学園大学は、地域が抱える課題や現状などを住民自身で導き出すことが出来る診断チェックリストの作成を協働で進めている。4月からの本格活用を前に2月24日、区内在住者が参加し、チェックリストの活用体験などが行われた。
診断チェックリストは、川崎市が進める「地域包括ケアシステム」(あらゆる世代が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるための仕組み)構築に向けた麻生区独自の取り組み。
区では2016年度、当時新設された地域みまもり支援センター職員らが区内96の町会と自治会を巡回するなどして、その地域の現状を調査。その中で町会長や自治会長から「地元課題の把握や解決していくやり方が分からない」といった声が挙がったことから、17年度は田園調布学園大と共に住民が自己診断で地域に対する認識などを把握するツールの作成を進めてきた。
同大の学生や地域活動をしている区民、障害者、外国籍の住民らも交えた数回のワークショップを経て作られたチェックリストは「世代交流の機会があるか」「高齢者を見守る仕組みはあるか」「生きがいや生きる楽しみはあるか」など22の項目で構成。これらを数値化することで個人の「地域力」が分かる仕組みだ。
他人事から「自分事」に
2月24日に行われた体験会では区内在住者や大学生、区職員ら約70人が参加し、チェックリストの検証を実施。最終的に名称は「ちいきのちからテスト」に決まった。リスト作成に携わった田園調布学園大講師で社会福祉学博士の和(かのう)秀俊さんは「項目に答えていくと自身と地域の関わりが簡単に可視化される。これが集約されれば地域の力をいかに上げていくかのヒントになるツールなので、まずは地域のことを他人事ではなく『自分事』にしていくことが大切」と話していた。
4月以降、区はこのチェックリストをHPに掲載する他、町会や自治会での会合などの場で活用を進めていくとしている。
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