麻生市民交流館やまゆりで、利用団体の希望にあわせた会場設営や照明機器、音響機器を操作する「やまゆりテック」。ボランティアとして「夢の空間作り」を支える。
発端は「夢空間」企画
開館当初は机や椅子など必要最低限の設備だった同館を、ちょっとした工夫で「夢空間」にするために中込清皓さん(83)らスタッフが始動。カーテン設置をきっかけに、デジタル制御の照明やマイクコントロールできる音響機器などを揃え、同館をさまざまに活用できる空間にした。
その後、やまゆりでは楽器演奏や演劇などのイベントも開催されるようになり、利用目的が拡大。一方で利用団体の中には照明や音響を使いたくてもノウハウのない人も多い。そこで「夢空間」のプロジェクトで会場設備を揃えた中込さんらが、技術面で支えようと自主的に活動を開始。2016年には市民団体「やまゆりテック」を立ち上げた。中込さんは「照明・音響のプラスアルファで、やまゆりを訪れた人がちょっといい気持ちになってくれれば」と話す。
多様な能力が集まる
同団体で機材操作を担当するのは6人程。リタイア後に参加している人がほとんどで、経歴は多岐に渡る。「親方」が愛称の中込さんは機材操作に関しては未経験だったが、TV局の美術担当で培ったバイタリティで技術を会得。音響や照明を専門にしてきた人もおり、メンバー間で能力を補完し合っている。技術力は高く、同メンバーの佐々木直子さん(57)は入団前「プロの人を呼んできてやっていると思っていた」と驚いたほどだ。
利用団体の数や幅が広がるにつれ、求められるレベルも高くなってきた。時には「昼間に使う部屋を真っ暗にしたい」などというリクエストも。しかし「できないをできる」にするのが「やまゆりテック」のモットー。どんな希望も叶えられるよう工夫を重ねる。中込さんは「難しい要望は私たちにとっても刺激になる。『やまゆりでこんなことができるんだ』と思ってもらえれば」と話し「興味ある人は少し力を貸してほしい」と話している。
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