夏の全国高校野球選手権大会で準優勝し、注目を集めた秋田県代表の県立金足農業高校。同校の応援を盛り上げたいと、決勝の21日にトランペットで参加した一人が中原区在住の演奏家、加藤圭太さん(26)だ。
秋田県出身の加藤さんは「金足の吹奏楽の人手が足りないのは知っていたので力になりたい」と感じていたが、演奏スケジュールの都合で現地に行けるのは決勝の日程のみ。その後、金足農ナインが快進撃を続けたことで「いてもたってもいられない」と、準決勝を制した今月20日、夕方の新幹線に飛び乗り甲子園へ。同級生らと前夜から入場の列に並んだ。「100回目の記念大会で秋田勢103年ぶりの決勝進出。前回に決勝進出した秋田中学は私が卒業した秋田高校の前身で、感慨深い思いもあった」と振り返る。
「勝手連」で一体感
翌日の決勝の相手は吹奏楽隊の規模も圧倒的な大阪桐蔭高校。加藤さんは、秋田県を拠点に活動する金管バンドの仲間たちと金足農側の吹奏楽隊に加勢し、楽譜もないまま手探りで演奏を始めた。「相手に立ち向かうにはいかに大きな音を出せるか。自分たちがやれることで選手も盛り上げたい」と取り組んだのは通常の応援歌に合わせ、高音域で金管楽器を響かせること。加藤さんらが懸命に鳴らした音はテレビ中継からでも聞き取れるほどのインパクトで話題を呼んだ。
「決勝戦は点差の開きを感じさせない雰囲気があった。勝てなかったのは残念だが、応援の一体感は感動的だった」。評判となった勝手連の応援について「これがきっかけで楽器奏者の方が地元高校の応援に駆け付ける、そんなことが増えていけば嬉しい」と胸中を語った。
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