全国優勝を果たした石坂さん＝２月、東京都内（提供写真）
剣道から学んだ経験をスピーチ形式で発表する大会が２月に東京都内で行われ、白鳥中学校３年の石坂蒼空（そら）さん（15）が最優秀賞に輝いた。石坂さんは小学生時代に患った難病を乗り越え、挑戦・努力する大切さ、感謝の心を表現した内容が高く評価された。
全国２２５０団体加盟の全日本剣道道場連盟らが主催する同大会は今回で41回目。石坂さんが通う相模原市の光武館道場では、茅秋雄館長（75）が推挙した道場生が毎年この大会に出場している。
小学２年の時に地元クラブで剣道を始めた石坂さんは６年時に血液中の血小板の数が減り、出血しやすくなる難病に罹患（りかん）。以降は木刀による剣道基本形稽古法での練習に変更し剣道を続け、基本技の大会で優勝するなど技術を向上させた。中学進学を機に同館に入門してからは、麻生区から相模原市へ週５日通い稽古に励んでいる。
石坂さんが今回発表した表題は「過去の自分から今の自分へ」。稽古を通じて難病を克服した経験から剣道を続けられる喜び、両親や道場関係者、仲間への感謝の気持ちを表した。道場生らの協力のもと、稽古後の時間で皆の前で発表するなどして表現力を鍛えていった。
石坂さんは県予選、関東ブロック大会を進み、臨んだ全国大会でも最優秀賞を勝ち取った。今回の快挙に「自信を持って臨めた。優勝できて嬉しい」と喜びを表した。
病が教えてくれたこと
石坂さんの発表作品には「病気が挑戦する気持ちと支えてくれた人に感謝する気持ちを教えてくれた」という一文がある。稽古を送迎で支えた母のさやかさん（45）や館長など関係者へ「気持ちを伝えたかった」と笑顔で振り返る石坂さん。
茅館長は「困難にもあきらめずに努力する大切さを表現できた」と話す。全国優勝した石坂さんは７月に日本武道館で行われる全国道場少年剣道大会で、参加者・来場者合わせ約１万人を前に同様のスピーチをすることが決まっている。
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