きむら内科クリニック=麻生区片平=の木村謙介院長(52)がアメリカ・ニューヨーク州の国連本部でこのほど、医療分野の専門家が提唱する「患者の心のケア」について講演を行った。
現地時間の3月22日、木村院長がスピーチしたテーマは「医療現場におけるトラウマについて」。男女平等や女性の社会進出をサポートするNGO(非政府組織)団体の関係者、心理研究の学者ら90人ほどを前に20分間、自身の経験や考えを語った。「調子を崩した患者に対し医者が重い病の可能性を示唆することで、患者自身がその病気を具現化させてしまうケースがある。患者は医者の言葉を重く受け止めるので、医師は心と身体が密接に繋がっていること、心が及ぼす力の強さを自覚すべきと伝えました」。
木村院長は体調不良で訪れる患者に対し、心の問題に触れながら病気の根本を探る治療に取り組んでいる。この日の会合を企画したNGO団体の米国人女性リーダーが、木村院長の過去の患者から治療姿勢を聞いたことから今回の講演が実現した。
医療の世界基準に
木村院長が心によって引き起こされる事象などを語り始めたのは2年前、地元老人クラブの依頼で行った講話が発端だ。以来、医師でありながら「死後の世界」や「潜在意識」といった非科学的な話題にも触れながら、心の持ち様の大切さを訴える講演を区内で10回以上行ってきた。木村院長は「地域で始めたことが国連本部にまで及んだ」と笑う。
木村院長が目指すのは人の心にフォーカスする医療を広めていくことだという。「医師を目指す教育の段階から心と身体の関係性が学べるようにしたい。これを世界のスタンダードにすることが次世代への橋渡しだと思っている」と話している。
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