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掲載号:2019年7月5日号

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講中札
講中札

 「水は天から、貰いもの」降れば洪水、照れば渇水。自然現象を相手とする農業は、台風・水害・日照り干ばつと、村の人たちは生活の中で自然を畏敬してきました。特に稲作にとっての渇水は命取りで、各地で「雨乞い」という農民による信仰が行われています。

 江戸末期この地方に起きた干ばつは、横浜・川崎・町田市史によると、元禄14年(1701)の4月〜5月は34日間雨が降らず、翌々年16年5月、玉川登戸河原の松・杉が枯れた(町田市史)といい、宝暦2年(1752)も厳しい干ばつで、「田場格別渇水仕旱われ候」(市史菅村)とあります。続いて宝暦10年(1760)にも大干ばつがあり、明和7年(1770)の日照りは、水稲はおろか麦・大豆の畑作物まで枯死させたといい、文政4年(1821)は春に雨が降らず夏も少なく、二ヶ領用水では溝の口騒動(市史)を起こしたと記されており、これ等は歴史に残る干ばつでした。谷戸田の多いこの地方では、早野七つ池をはじめとする溜池が造られますが、枯渇の時もあったと思われ、局地的な水不足は村々を襲っており、この「雨乞い」は、各地に多くの伝承・逸話を残しています。

 細山の神明社には、今も2本の竹筒が大切に保存されているそうです。これは大山詣での「雨乞い」に使ったもので、この竹筒伝承は、早野や宿河原にも残されています。相模の霊峰大山は、海抜1252m。山頂に「阿夫利神社」が祀られ、別名「雨降山」と雨乞い信仰で知られ、麻生から相模の大山までは片道40Km、早野に残る伝承は代参人3〜4名が連れ立って夜半に家を出て、阿夫利神社(奥の院)の冷水を竹筒に2個いただき、御神符を貰ってくるもので、途中立ち止まると、水の流れが止まるという縁起から、休まずに帰り、村の人達が待つ「林ヶ池」に竹筒の水を流し、祈祷のお札に水を浸したそうです。細山村の雨乞いも、代参人3〜4名で2本の竹筒を背負い、「サンゲ、サンゲ、ロッコンショウジョー」と夜の山を登り、早野同様、休まず帰ると、ここでは村人が、神明社下の小川を堰き止めて待っており、竹筒の霊水を「種水たねみず」と崇めてそこに流し、御神符を竹竿に挟んで立て、ここでも「さんげ、さんげ、六根清浄」を繰り返し唱え、裸で水を掛け合い、神明社の大太鼓を打ち鳴らして、雷雲の出るのを祈ったそうです。

【後編に続く】
 

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