川崎に元気を届けよう――。台風19号で被災した地域への思いを胸に、YBCルヴァンカップ決勝戦(10月26日)に臨んだサッカーJ1・川崎フロンターレは、接戦を制し、初タイトルを獲得。試合後、藁科義弘社長は優勝賞金の一部を、市内の復興支援に充てる考えを示した。
PK戦、劇的勝利
4万8119人の観衆が集まった試合開始前、台風19号の被災者への黙とうがささげられた。北海道コンサドーレ札幌との決勝戦でフロンターレの選手は躍動。PK戦にまでもつれこみ、GK新井章太選手の好守備でフロンターレが勝利を収め、サッカーの国内三大タイトルの一つである同カップを初めて手にした。中村憲剛選手は「台風被害にあわれた方を少しは勇気づけられた。大きな勝利」と力を込めた。
藁科社長は獲得賞金1億5千万円の一部を復興支援に充てることを決断。被災地を思う選手たちを代弁し「川崎が元気になっていただきたい」とサポーターの前で意思を表明した。
首都圏を襲った10月12日の台風19号は、同クラブの本拠地である等々力陸上競技場周辺にも甚大な被害をもたらした。惨状が伝えられる中、同クラブは「市民とともに歩むクラブとして被災者たちに何ができるのか」を検討。ボランティアを募り、災害ごみの排出作業の手伝いなどに取り組んだ。カップ戦初優勝を懸けた大一番に臨む上で「勝って川崎に笑顔と元気を届けようと、チーム一同、思いを一つにして戦った」と藁科社長は胸中を語る。
浸水被害地域は依然として支援が必要な状況で、同クラブは引き続き復興に向けた活動を行う。あす2日と11月30日のホームゲームや武蔵小杉駅(11月14日、12月5日)、武蔵溝ノ口駅(11月28日)で、募金活動を行い、市民やサポーターに川崎の被災者支援を呼びかける。
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