市政報告 ふるさと納税と租税教育 川崎市議会議員 月本たくや(チーム無所属)
ふるさと納税は、自らの故郷や縁のある地域に納税をすることで、首都圏一極集中による地方財源減少の緩和措置として導入されています。
しかし現在は本来の目的ではなく、自治体同士の返礼品争いになっており、川崎市は今年度56億円の税金流出が見込まれています。昨年度の一般会計決算は63億円の収支不足であるため、このうちの9割弱がふるさと納税の影響によるものになっています。
川崎市は返礼品争いに参加して流入を促すよりも、制度の趣旨からして、市からの流出防止の策を講じるべきです。
予算がないのはなぜ?
私は多くの陳情を受けますが、よるあるのが「カーブミラーの設置」です。また子どもたちからは「公園に遊具がほしい」といった声を頂きます。しかしどちらも予算の問題が浮上し、要望してもなかなか設置に至らないことがあります。
納税者人口が増えている川崎市が財政難になっている理由は、社会保障関連経費が増大し、一般会計の1/4以上を占めるのに加え、ふるさと納税で予測不能な減収が生じている事が挙げられます。令和元年度は予算策定の段階で、ふるさと納税流出を49億円と見込んでいましたが、わずか数ヶ月で56億円に達し、7億円も減収幅が増えています。
使い道を学び「税」を考える
このふるさと納税ですが、「納税者が自ら税金の使い道を選択できる」という側面があるのはご存知でしょうか?
市として、ふるさと納税は「使う分野を自分で決めることができる制度」という意識を啓発していく必要があると感じます。私は今期、総務委員会で租税教育の観点に立った「ふるさと納税対策」を提案しています。
小学6年や中学3年の教材には、ふるさと納税の川崎市への影響が掲載されています。政治に参加するのは選挙だけでなく、ふるさと納税を利用して『使う分野を自分たちで決める』というやり方で川崎市政を考えていくのも一つの方法です。
今後は、法人会を始め、様々な税務関係団体の協力を頂きながら、学校だけでなく様々な場面で、租税のあり方を考える機会を拡大して行きたいと考えています。
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