川崎市は、人権・多様性・異文化共生に関する2事業「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」「川崎市パートナシップ宣誓制度」を7月1日から施行した。麻生区編集室では、区内で外国籍の人が多く集まり活動している「グローバルカフェ」を取材した。
グローバルカフェは今年開催予定だったオリンピック・パラリンピックに向けて、「言語の交換」(ランゲージエクスチェンジ)を通じて各国語でのディスカッションや自主的な活動を計画するボランティア集団。東南アジア・中東、欧米などの市内在住者が参加している。
話しを聞いたのは主催者の千葉駿さんとイギリス出身のマシュー・ノートンさん、アメリカ出身のファガーソン・イライアスさん。
ノートンさんは来日して7年。「日本にいるのだから、日本の文化や意見に合わせよう」と考えている。見た目で判断されることが多く、日本語で話しかけても、英語で返事が返ってくるのはいつものことだという。来日5年目のイライアスさんも同様に、「レストランに座ると英語のメニューが出てきて、箸ではなくナイフとフォークが出てくる」と笑う。
2人ともこれを差別だとは思っていない。「気づかいなのは分かります。でももう少しコミュニケーションを取れれば」とノートンさん。
2人とも日本で差別を受けた経験はないという。「日本に外国人差別は無いと思うか」との問いに、「ある。日本人の友だちを通して中国人や韓国人に対する差別を知っている」とノートンさんは話す。続けて「日本人の友だちに『今度、友だちを連れてくるね』と言って、黒人の友だちを連れていくと、その場の空気が変わる。時間が経てば、普通に仲良くなるが、いつもそういう空気になる」という。
イライアスさんは日本人の女性と結婚し、子どもを授かった。家族で来日する前、日本で育ったハーフの人がネット上で、いじめられ、差別を受けたと訴える動画を見た。「子どもがいじめられたらどうしようと本当に心配した。でも3歳と5歳の私の子どもにはまったくない。動画の中で『差別がなくなっている世になってほしい』と話していた。私の子どもたちが20年後、『差別のない素敵な世界だよ』といえるような社会になっていれば」と話した。
イギリスに滞在していた千葉さんは「違いを感じた。アジア人とみられて中国語で話しかけられることもあった。こういうのは差別ではなく違いかなと思う」。
ノートンさんは最後に「日本人は『悪気はない』けど差別的な発言・行動をする。悪気がなくても差別は差別。それは無知だからかも。もっと差別を知ったほうがいい」と語った。
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