バスケットボールを通じてSDGs(持続可能な開発目標)を実現しようと、B1・川崎ブレイブサンダース(BT)は新企画を発表。9月14日、推進に向けた協定を川崎市と結んだ。具体的施策に、保育所等へのバスケゴール寄贈やホーム戦の就労体験を挙げる。
SDGsを掲げた川崎BTのプロジェクト名は、バスケともう一つの重要な活動という決意を込めた「&ONE」(アンドワン)。クラブ本拠地の自治体として川崎市に広報など支援を求め、協定にこぎつけた。川崎青年会議所の後援を受け、10月開幕の今季から始動。3カ年を目安に数値目標を設定している。
幼児ゴール寄贈へ
プロジェクトではSDGsが示す17目標のうち「健康・福祉」「働きがい・経済成長」の2項目を組み合わせることで、「住み続けられるまちづくり」を実現させようと計画。健康の目標では、幼児用バスケットゴールを市内150カ所の保育所や幼稚園に3年かけて寄贈。さらにクラブ主催のスクールや大会等で、参加延べ人数1万人を目指す。働きがいでは昨季実績が269人だったホーム戦での就労体験人数を、3年目で369人に増やすとしている。
政府は昨年、川崎市を「SDGs未来都市」に認定。市がパラスポーツ推進やごみ削減に取り組む中、DeNAグループのクラブ運営会社・元沢伸夫社長は「プロスポーツクラブとして、社会課題に対して継続的に何ができるか。昨秋以降、協議を重ねてきた」と振り返る。スポーツ界にも広まるSDGsだが、国内のプロクラブが具体的な数値目標を掲げるケースは珍しいという。福田紀彦市長は「元沢社長の本気を感じ、本当に心強い。(目標達成に向けた)メッセージが老若男女のファンに届くことを願う」と期待を寄せる。
コロナ禍に見舞われた昨季、川崎BTはリーグ戦60試合のうち20試合が中止になったが、売上は前年比約1・5倍の9・9億円を計上。3年後の収支黒字化を目指す。
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