「第26回KAWASAKIしんゆり映画祭2020」が10月25日と30日〜11月1日の4日間に渡って開催されることが6日、発表された。昨年の同祭で起こった映画「主戦場」の取り止めを受け、運営体制を一新。多様性や個性を尊重する映画祭のポリシーを受け継ぎ10作品を上映すると同時に、公開講座で昨年の問題検証を行い、再スタートを切る。
今年は「映画とともに まちとともに」をキャッチーコピーに開催。「コロナ禍の中、気づきや心に力をもらえる映画を届け、映画を応援したい」と10作品をラインナップ。大林宣彦氏と今村昌平氏の両監督作品を核に置き、その独自性を届ける。視聴覚や身体に障害のある人も映画を楽しめるよう、副音声イヤホンガイド付上映なども実施。川崎市アートセンターで上映される。
新百合21ホールで行われた記者発表で、実行委員会の安岡卓治実行委員長(日本映画大学教授)は「内容は、個性や多様性を尊重する、これまでの映画祭の在り方を継承している。映画の独自性を支持し、四半世紀続き応援してもらっている市民や、まちに還元したい」と話した。
同祭は、市の「芸術のまち構想」の一環として1995年に開始。ボランティアの市民スタッフが企画、運営の中心を担い25回開催してきた。
昨年の開催時、共催する川崎市の懸念により、同祭の基幹組織はドキュメンタリー映画「主戦場」の上映取り止めを決定。映画祭側の対応に、映画人や市民からは表現の自由を問う批判が挙がり、公開討論やスタッフ間の話し合いを経て、最終日に再上映となった。この件について安岡実行委員長は「再上映によって、しんゆり映画祭の首の皮1枚がつながった印象」とコメントした。
映画祭後、基幹メンバーは引責辞任し、映画祭は一時存続の危機にもなった。しかし、ボランティア有志が新たな運営組織を立ち上げ、今年新体制が稼働した。
「問題を明らかに」
映画祭の再生として、「主戦場」上映取り止め問題を検証するオンライン公開講座を実施。全6回に渡り、ゲストと経過検証や映画祭の役割を考える。安岡実行委員長は「意思疎通の場、そして映画を学べる場が必要」とし、「市と二人三脚で歩む体制は続けながら、背後にある問題を洗い出すべき」と語った。
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