会場案内や、チケットもぎり、チラシの設置などで「アルテリッカしんゆり」を支える縁の下の力持ちが「アートボランティア」と呼ばれる市民ボランティア。200人近い登録者の中には親子や夫婦もいるが、3世代で参加するのが「柴田ファミリー」だ。
母・息子へつながる
家族の中で最初にボランティアに加わったのは、柴田かおりさん(44)=万福寺在住。「地域に貢献できるし楽しそうだな」と同祭2年目から参加する。数多く携わってきた公演の中でも、昨年8月の大谷康子さんの公演は特に思い出深い。「『開催できてよかった』スタッフ側の思いと、『公演に来れてよかった』観客の気持ちがどちらもわかり、ボランティアは合間にいるんだなと思った」と語る。
かおりさんの母、安河内みどりさん(68)=王禅寺西在住=は、日ごろから芸術公演に足を運んでいたが、娘からの誘いもあって参加するように。「出演者の方とお話しできるのは役得ですね」とほほ笑む。
そんな家族の影響を受けたのが、かおりさんの長男・俊亮さん(17)だ。アルテリッカの子ども向け公演に訪れていたこともあり、高校生になり自然と、身近だったアートボランティアの道を選択。印象に残るのは昨年のオペラ「カルメン」。「大きなホールを担当することと、久しぶりの公演で観客も多く、緊張感ただよう雰囲気だった」と振り返る。
共通の話題に花咲く
地元でのボランティアに「愛着は大きい」と口をそろえる3人。さらに3世代で参加することについて、みどりさんは「高校生の孫と共通の話題や一緒に何かできるのが楽しい」と語る。俊亮さんも「おばあちゃんと顔を合わせる機会が増えた」と声を弾ませる。
過去にも親子同士、祖母と孫の組み合わせで同じ公演を担当することももあった。今年は「三大B名曲コンサート」で3人がそろう予定だ。
今年の開催を前に、かおりさんは「お客さまに安心してきてもらえるよう準備をしている。見ている間はコロナのことを忘れて楽しんでほしい」と話す。俊亮さんは「いろんなのボランティアの人にも顔を覚えてもらえたら」と笑顔を見せる。
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