ヒートアイランド対策や景観などを目的に、ビルの壁を植物で覆う壁面緑化。岡上の株式会社グリーニアン(岡田陽介社長)は、大型商業施設などの壁面緑化事業を専門に手がけている。
同社は、建物の設計にあわせ、長期維持できるような壁面緑化システムの設計から、丈夫な植物の生産、養生、排水設備工事、メンテナンスなどをワンストップで行う。5年前の会社設立からこれまで、昨年新しくなった横浜市庁舎や、東京渋谷のミヤシタパーク、渋谷スクランブルスクエアなどを施工してきた。
「思いが伝わるように」
「緑があると人が集まる効果があると思う」と語る岡田社長。自治体によっては、新築建物の屋上や壁面の緑化が義務付けられ、SDGs(持続可能な開発目標)などでも環境保全に対する注目度は高まっている。しかし、ただ緑を施せば良いわけではない。同社が大切にするのは「思いが伝わるようなものを作る」こと。岡田社長は「世間体で取り入れたものと、思いがあるものでは違いが出る」と話す。
一筋縄ではいかない植物という生き物を扱っているという意識は強い。一度植えたから終わりではなくメンテナンスは欠かせない。「都市緑化には時間がかかる。壁面緑化も枯れてしまっては見た目も良くない。生きているものを扱っていると、関わる人が気をつけなければならない」と思いを込める。
新しい形の庭を販売
川崎市産業振興財団が主催する「かわさき起業家オーディション」で受賞したことをきっかけに会社を設立。そのときに打ち出したのが、移動できる庭「コマニワ」だ。
植木や植物を1つずつ植えるオーダーメイドの庭ではなく、既製服のように「デザインされた庭」を買ってもらうのがコンセプト。壁面緑化のノウハウを取り入れ、保水と排水のバランスがよく長期間育成しやすい不織布のプランターを使用する。運搬設置や配置換えも容易にできる。専門家による栽培で、デザイン性を保持しながら枯れにくいのも特徴だ。岡田社長は「ガーデニングを始めても、枯れることがトラウマでやめてしまう人も多い」と話し、植物の扱いやすさに重点を置く。
「コマニワ」は羽田空港や、先月からは表参道エリアの情報紙と協力し、同エリアの店舗に設置されている。一般向けにもインターネットで販売を始めたいという。
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