市民団体「こどもしんぶん部」で代表を務める 伊藤 まゆみさん 王禅寺東在住 42歳
子ども目線でまちを発信
○…小中学生が、麻生区内の店舗や人物を取材して区民に情報を届ける「こどもしんぶん部」を3年前に立ち上げた。5月からは2期生が学んでいる。活動を通じて、郷土愛の醸成や、子どもたちに人に伝える文章を書くことを体験してほしいと願う。「自分たちで取材すると、取材した人がどんな思いをもっているかよくわかる。形に残る新聞の形で、まちの良さを表現してもらえたら」
○…出産を機に約20年前に越してきた麻生区。アクセスもしやすい都心に憧れていたが、暮らす中でPTAや自治会活動にも触れ、まちのパワーに心惹かれるように。「ここで暮らす子どもたちが、まちを好きになったらいいな」と、子どもの目線でまちの魅力を見出す活動を思いついた。昨年の活動では、区内のライターを書き方の講師に招き、警察官や農家などに話を聞いた。「いろんな仕事や働き方、働いている人を知り、自分自身の社会勉強にもなっている」と目を細める。
○…転勤族で、子どもの頃は米国で過ごしたことも。テレビや動画といった母国語のコンテンツが今よりも少ない中、日本語で書かれた本を読むことが好きだった。帰国後は大学の文学部で言葉への興味を深めた。「そんな根底がしんぶん部の活動につながっているのかも」と振り返る。
○…「人生で一番長く住んでいる」という麻生区。ここで生まれ育った高校生の息子と娘は、一緒にボランティア活動を手伝ってくれることもある。しんぶん部でも「子どもたちと一緒に作業した思い出を共有できれば」と、親子のコミュニケーションに心を寄せる。今後、親世代が参加するためにも「活動を立ち上げたときの思いを継ぎながら、新しい風を循環できれば」。見据えるのは先の長い活動だ。
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