活動自粛で交流の機会が減少する町内会や自治会を支援するため、川崎市は新たな補助金制度を導入する。停滞する活動を再活性化させ、災害時に備えた連携の強化や、若年世代などの加入率向上にもつなげたい考え。市議会での審議を経て、7月上旬に運用開始する見通しだ。
住民組織に対する市の資金的支援はこれまで、連合会全体や、限られた施策のみに限定されていた。今回の新たな制度では、単会組織へ個別に直接補助を行う。対象項目は、住民交流のためのイベント費用、会報誌の発行経費、防犯活動の備品代など事業活動に関わるもの。会館維持管理費などの運営費や交際費は対象外となる。新型コロナの影響で夏祭りを中止するなど、自粛ムードが広がる町内会や自治会の活動を促し、継続させていくことを目指す。
市は先月に発表した補正予算案で、今回の事業費として約3億1千万円を計上。補助率は対象事業費の2分の1で、「700円×加入世帯数」を上限に見込む。こうした制度は、全国20政令市のうち横浜市など9都市で導入されている。
加入率 6割未満
資金支援を行うことで、市は一昨年の台風被害などで教訓を得た地域防災面での連携強化や、低迷する加入率向上につなげたい狙いもある。市の人口は154万人を超え(5月1日時点)、世帯数も増加の一途をたどる一方、市内650の町内会・自治会の加入率は低下しており59%(2020年度)にとどまる。
若い世代を取り込み加入率が75%に上る、はるひ野町内会(麻生区)の杉本秀治会長は、新制度について「高齢化が進み後継者の確保が課題の町内会もある。資金面だけでない支援も望む」と指摘。観音町内会(川崎区)の早川佳伸会長は「毎月会費を徴収しながら、催しやクラブ活動など全てを中止。補助金を活用しても、コロナ下で何ができるか今は考えにくい」と頭を悩ませる。
市の担当者は「住民との意見交換を通じて、必要な支援や課題の把握に努め、柔軟に対応していきたい」としている。
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