高齢者向けに区内の自治会館などで開かれている「サロン」。そのサロンへの無料送迎を行う「あさお運転ボランティアCAP」の一人として活動するのが、平原廣さん(74)=岡上在住=だ。
現役時代に運送会社で長年運転手を務めていた平原さん。60歳で定年を迎えた後、こどもの国=青葉区=で園内バスの運転手を募集していることを知り、「運転することが好きだったから」と応募。採用され、初代「あかポッポ号」の運転手を務めた。
その後、義母が入居していた特別養護老人ホームかないばら苑(片平)で「お世話になった施設に恩返しがしたい」と、同施設で送迎ボランティアに。その縁もあって「あさお運転ボランティアCAP」にも参加するようになった。
送迎ボランティアのほかにも、地元岡上の老人会ではグラウンドゴルフで汗を流し、緑地保全活動を行うNPO法人かわさき自然と共生の会で理事を務めるなど、さまざまな地域活動に参加する。「マグロと一緒で止まるとダメ。『飛んでいる じいさん』なんですよ」と豪快に笑う姿が若々しい。
仕事を辞めて地域活動を始めると、若い人たちと接する機会も増えた。特に、こどもの国で運転手を務めていた際には、孫と同じ世代とふれあうことも多かった。「言葉が通じない」と苦笑するも若い人たちの考え方や、文化を学ぼうと勉強する機会も増えた。「知的好奇心と、外を出歩くこと。それが元気の秘訣。人に頼まれれば断れない性格なので、みんなから言ってもらえる『ありがとう』の言葉が日々の活動の原動力ですね」と笑顔で語る。
学生時代に取り組んでいた体操で鍛えた体、現役時代に生活のために取得した整備士や溶接などの資格。それが今の活動に生きている。「丈夫な体に生んでくれた親に感謝です」
セカンドライフで学んだことは「人とのつながり」。「家にこもっていると体も弱るし、気持ちも晴れない。少しでも外に出て、人とふれあうことが大事」。コロナで活動が制限されがちな今だからこそ、散歩などで外を出歩くことを大切にする。「いつかは運転もできなくなる。だからこそ、今の状態を維持し、人とのつながりを大切にしていきたい」。これからも活動を続けていく。
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